カギっ子
今どきの人は、知らない言葉だよね。
ほら、私って、いわゆる団塊ジュニアで、わりと同い年の人が多かった。
それでいて、両親は共働きの場合が多かったので、夕方まで子どもだけで過ごす時間が長かったように記憶しています。
っていうかぁ、夕方暗くなるまで良く遊んだモノでした。
それこそ、ゲーム機が登場する以前だったので・・・
そんな頃、仲の良い女の子の友だちがいた。
名前は、さすがに忘れちゃったけど、A子ちゃんとしておきましょう。
A子ちゃん、私と同い年なのに凄く小さかった。
私も小さい方だったけど、更に小さかった。
だけど、抜群の運動神経の持ち主で、鉄棒は男子でもかなわないほどだったし、ゴム跳びも名人級だった。
そんなA子ちゃんのおうちに遊びに行くと、どこから出したのか大きなカギでドアを開けて中に通してくれた。
A子ちゃん、カギを入れておくようなモノは持っていなかったし、どこか物陰からカギを取り出した分けでもなかった。
そこで、私はA子ちゃんに聞いて見た。
「カギって、どこから出したの?」
「ここだけの話だよ。
ナイショにしていてね。」
そう言って、A子ちゃんは、自分のスカートのほつれている部分から、カギを出し入れするのを見せてくれた。
そして、カギだけじゃなくて、お小遣いも同じ場所に入れていた。
A子ちゃん、曰く・・・
「ここって、便利だよ!
こんな小物を入れておくにに、丁度良いよ!!」
なるほど、A子ちゃん、中々な才能だと思った。
普通、そんなコト、気が付くかなぁ?
同時に、私は無理に思えた。
普段から、粗忽者の私なら、すぐに落としてしまうとね・・・
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